一般貨物運送業許可の要件について(施設編)

一般貨物運送業の許可を取得するには様々な要件を満たす必要があります。

 

今回は様々な要件の中でも営業所、睡眠・休憩施設、車庫といった施設に関する部分を取り上げて解説させて頂きます。

 

これから探す予定の方はぜひ参考にしてみてください。

営業所に関する要件

①使用権原を有していること

自己所有でも、賃貸でもOKですが使用権原を有することの裏付けが必要となります。具体的には自己所有の場合は不動産登記簿謄本、賃貸の場合は賃貸借契約書を使って証明を行います。

 

※法人での申請で、建物が社長個人の名義となっている場合はそのままでは使用権原が認められないため対策が必要です。

※賃貸物件の場合で賃貸借の契約期間が2年未満の場合は契約満了時に自動更新される旨の記載があることが必要となります。また使用目的が「事務所」などの事業用になっている必要があります。

 

②適法に建った建物であること

使用する建物が農地法、都市計画法、建築基準法などの法令に抵触していないことが求められます。

農地上に営業所を設置する場合には農地転用許可、市街化調整区域内であれば開発許可といった形で適法に建物を立てる必要があります。

 

③適切な広さを確保すること

営業所の面積に何平方メートル以上といった条件はありませんが、実際は事務机や椅子、帳簿類を収納する棚、電話、FAX、コピー機等を設置できるだけの広さを確保する必要があります。6畳程度あれば良いかと思います。

 

睡眠・休憩施設に関する要件

使用権限を有すること、適法に建った建物であることは営業所と同様です。

 

①原則として営業所または車庫に併設すること

営業所に併設するケースが多いですが、それが難しい場合には車庫に併設させます。なお営業所内に併設する場合にはパーテーションを使用するなどして事務スペースと明確に区分しなければなりません。

 

②適切な広さを確保すること

従業員に睡眠を与える必要がある運行体制の場合は同時に睡眠をとる乗務員1人あたり2.5平方メートル以上の面積の確保が必要ですが、睡眠の必要がなければ机や椅子などを設置し休憩ができるスペースを確保できれば大丈夫です。

 

車庫に関する要件

営業所や休憩施設同様、使用権原を有することが求められます。賃貸の場合には使用目的が「駐車場」等になっているかもご確認ください。

 

①適法なものであること

営業所や休憩施設同様に適法なものであることが求められます。市街化調整区域の場合は青空駐車場であれば基本的に問題ありませんが、屋根をつける場合、アスファルト敷にするには許可が必要になってきますのでご注意ください。

 

②原則として営業所に併設すること

併設が難しい場合には営業所から直線距離で5km以内(政令指定都市では10km以内)に設置しなければいけません。

 

③適切な広さを確保すること

車両と車庫の境界および車両間の間隔が50センチ以上確保され、計画車両全てを収納できる面積があることが求められます。一般的には積載トン数毎で車両1両あたり下記の面積が必要と言われています。

 

●7.5トンを超えるもの    →  38m2  

●2.0トンロング超〜7.5トン  →  28m2

●2.0トンロング       →  20m2

●2.0トンロング以下     →  15m2

 

④車両出入り口の前面道路の幅員が車両制限令に抵触していないこと

前面道路が国道の場合を除いて「道路幅員証明書」を申請時に添付します。幅員が6.5平方メートル以上であれば問題はありませんが未満の場合には車庫としての使用が難しくなる場合がありますのでご注意ください。

 

 

関連項目

一般貨物運送業許可取得をお考えの方はこちらをご参照ください

●一般貨物運送業許可について